2016/12/07

障がい者専用施設にある、二つの自販機

都内には二つの障がい者専用のスポーツ施設があり、その中に幾つかの自動販売機がある。その内の並んだ二つがちょっとある種象徴的に興味深かったのでご紹介。

もちろんだがこの施設の利用者の多くは障がい者、ということがポイントだ。

この二つである。


まず硬貨投入口。
 白はこの形。まぁ楽しく街でもよく見る形です。しかしこの施設で見るとより意味深です。

 対して青はこの形。
身障者の場合、どこかに麻痺や振るえを伴っている可能性があるので、白のほうが断然使いやすい。


次にお札入れ。
 コチラが白。入れやすいそうですね。扉もない。

コチラは青。
扉があるので、両手使えないとチヨット入れにくい。もし片手欠損しているとだいぶ使いにくそうです。そもそもお札を入れる入り口自体、麻痺があれば大変そう。


次にお釣りの口。
 白はこんなの。

青はこんなの。
まま、どちらコチラも白のほうが断然取りやすいと思われる、障がいがあればね。

次にメニューボタン。
 コチラは白。
車椅子に乗っていると、一番上まで手が届かない場合があるんですなぁ。もちろん麻痺があって手が伸びない場合もある。この形式なら、より買いやすい。
街で始めてみたときは、子供用かな?と思ったていたのですが、こういった施設で目にするとよくわかります。

 コチラは青。特設ボタンはなし。

こういうのに関連して、こういう話がある。
ある10階建てのマンションで、ある人は毎朝エレベーターで一階まで降りて出かける。しかし帰りは七階で降りて、残り10階までは階段を駆け登っていた。なぜでしょう?

唐突にこのような問があれば、多くの人は「健康のためかな?」と思いますが違います。
いま自販機の流れでわかると思いますが、この人は小学生で帰宅時にエレベーターに乗っても、10階のボタンに手が届かず仕方なく届く七階までを利用していた、というのがオチです。当たり前に使っているものを使えない人がいる、というお話です。

この自販機のボタンにも言われなければ分からないけど、届かない利用者がきっといそうです。


はい最後に、ドリンクの取り出し口。
 コチラはしろ。扉が中に入って取り出します。

 コチラは青。扉が手前にでるタイプです。
これはちょっと過敏かもしれませんが、人によっては片手が使えない、もしくは欠損しているかもしれないので、押すタイプの方が便利そうだなと感じました。引くタイプでも片手で出せるとは思いますけどね。

この押す・引くに関しては、もっと別の理由があるのかもしれないので一概に押す方がいいという自信はないのですが、障がい者が利用することを思えば、やや押すほうが良いかなと? という印象。





とまぁ、自販機一つみてもこんなに差があります。
特にここは障がい者専用の施設であることを思えば、白の自販機ほうが気が利いているというか、しっかりした会社だなぁという印象。社会的な責任ちゃんとこなしている、という感じか。
対して青い方はうまくないなぁという印象。街中にあればそこまで感じないことだけど、ここではすごく目立つ。

なお知人の指摘により、この二つの自販機の製造は同じ会社らしい。設置・管理者は別のようですけど、白のほうがユニバーサルデザイン、ということのようです。

この施設においては、並んで設置されていてもこの利用しやすさの差は売上にも影響するかもしれないね、と。
自販機一つでもこんなに何箇所も工夫がされてるなんて、と感慨深いものがありましたまる





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