2011/02/08

母方の実家、山間の小さな農村の大きな木造の、家の中で母と二人で寝ている。真っ暗。ふと目が覚めると人の気配がする。ドアの向こうにだれかいる気がする。が音もないので気のせいかと思いそのまま寝る。また目が覚める。やっぱり人の気配がする。玄関のほうにこんどこそ人の気配がするので戸を開けて、土間を見たら、修験道のかっこうをしたひとが5-6人立っていた。外は雪が吹雪いていて、との外はこれまた真っ暗だ。修験道者は怖くなかったが、野外の暗さが不気味だった。
 おきて家の中をうろうろしてみた。こんなに大きな家だったか。たくさんの廊下を歩くと、離れの建物につながる廊下を見つけて渡る。離れは能舞台だった。むかいのおじいちゃんの寝室から窓越しにちょうど能が見られる位置だ。病気がちで寝室のベッドにずっと寝ていたおじいちゃんが観るのだろうか。ただ舞台はかなり埃をかぶっているように古臭く、板は人が歩いているような艶はなかった。
能舞台周辺の庭は明るい緑と淡い桃色の花、あたたかい陽射しが差し込んでいる。見回すと、とてつもなく大きな鹿が二頭いる。鹿の狩猟をやっている親父に教えてあげればどんなに喜ぶだろうとながめる。なんて見事な角だろう。なによりも二頭とも大きすぎる。
 周りには鹿だけではなくいろんな動物がいることに気がついた。庭なのに白い豹までいる。と思った瞬間に眼があった。豹がこちらに気がついたことがわかって怖くなった。

能舞台の離れから急いで母屋に逃げるしか無いと思った。渡り廊下など歩いていられない。今直ぐ庭を突っ切って母屋に最短距離に走るしか無いと思った。能舞台から庭に降りて走った。いくつかの段差があってその度におおきくジャンプした。三段跳選手のように一歩一歩を大きく飛び跳ねた。着地のたびに細かい有刺鉄線が地面にめぐらされていることが分かった。獣対策だろうか。5-6回の跳躍をおこなった。こんなに庭は広かっただろうか。かなりの距離を飛んだのに。うしろにはまだ白い豹が見える。これが最後とおもったジャンプの着地地点の有刺鉄線はとくに針が大きく針金も太かった。しかしむしろ針の間隔も大きかったので、そこを掴んで馬跳びに加速、なんとか母屋に逃げ込んだ。
 母屋の二階に、雰囲気のいい木造の喫茶店がありそこでそう聞かされた。誰が教えてくれたのかはわからない。 庭にはさまざまな獣がいて、人間に牙を向く獣も居る。知性を持った動物もたくさんいる。前者はアーヴィンと呼ばれているらしい。悪魔のような獣という。アーヴィンはひとを襲うが有刺鉄線の結界には入れないという。ここから思い出せない。目が覚める。

0 件のコメント:

コメントを投稿